
人材紹介の両面型・片面型って何?働き方の違いやメリット・デメリットを解説します
人材紹介の仕事に興味があるものの、
「両面型と片面型の違いがよく分からない」
「どちらが自分に合っているか知りたい」
と感じている方も多いのではないでしょうか。
人材紹介には、企業と求職者の両方を担当する両面型と、どちらか一方を専門に担当する片面型があります。
それぞれにメリット・デメリットがあり、働き方や向いている人の特徴も異なります。
本記事では、人材紹介業界を熟知する「ひとキャリ」が、両面型と片面型の違いや、それぞれの働き方の魅力を詳しく解説します。
納得のいくキャリア選択ができるよう、ぜひ最後までご覧ください。
目次
人材紹介の両面型・片面型とは?
人材紹介には「両面型」と「片面型」という2つのスタイルがあります。
両面型・片面型の違い
両面型・・・求職者支援と企業への営業を同時に行います
片面型・・・求職者支援と企業への営業活動のどちらかを担当します
どちらを選ぶかによって、働き方や求められるスキルが変わります。
両面型とは
両面型エージェントは、企業と求職者の双方向にアプローチするタイプのエージェントです。
CA(キャリアアドバイザー)とRA(リクルーティングアドバイザー)の業務をどちらも経験できるのが特徴です。
特に、領域特化型(医療・物流等、業界に特化した求人を扱う)の中小企業ではこの方法を採用していることが多く、求職者と企業様の双方にアプローチできるため認識のズレを減らし最適なマッチングを目指せます。
求職者1名に対して、専任のアドバイザーが1名つくため、求職者との信頼関係の構築が重要です。
1名のキャリア実現に伴走するため、責任感がより大きい分、入社までつながった際のやりがいは非常に大きいでしょう。
企業によって、1人のアドバイザーが受け持つCA:RAの割合は異なるため、両面型転職エージェントへの転職を考えている方は、事前調査をしておくのがおすすめです。
片面型とは
片面型のエージェントは、企業または求職者のどちらか一方に特化します。
CA(キャリアアドバイザー)とRA(リクルーティングアドバイザー)で担当業務を分けることで、それぞれの領域に対して高い専門性をもって業務を担当することができます。
総合型(業界や領域に限らず幅広い求人を扱う)の大手人材紹介会社では、片面型が多く採用されています。
取り扱う求人数が多いからこそ、担当ごとに専門性を振り分け、多くの求職者に対応しています。
両面型と片面型では、どちらのスタイルにもメリットがあるため、自身のキャリアプランに合った働き方を選ぶことが重要です。
両面型・片面型の転職エージェントの違い
両面型・片面型エージェントの業務の違いについて、解説していきます。
両面型と片面型では、担当業務の内容において大きく以下の2点の違いがあります。
担当者の役割
両面型と片面型の転職エージェントでは、担当者の役割が大きく異なります。
両面型 | 片面型 | |
担当範囲 | 企業と求職者の両方を1人で担当する | 企業担当(RA)と求職者担当(CA)に分かれる |
業務の特徴 | 採用ニーズと求職者の希望を一貫して管理 | 企業対応はRA、求職者対応はCAが専門的に担当 |
メリット | ・求職者と企業の双方から感謝される ・キャリアアップにつながる ・ミスマッチを最小限にできる | ・役割が明確で専門知識を深めやすい ・多くの案件を扱えるため、成果を出しやすい・ワークライフバランスを保ちやすい |
デメリット | ・幅広い業務をこなすため、負担が大きくなりやすい ・企業と求職者の間で板挟みになりやすい | ・企業の詳しい情報を得にくい ・情報伝達のズレが生じることがある |
両面型は、企業と求職者の間に立ち、双方の希望を直接調整できるのが強みです。
一方、片面型は役割が分かれているため、特定の業務に集中しやすくなります。
それぞれの特徴を踏まえ、自分に合った働き方を選ぶことが大切です。
求人の量とマッチングの質
両面型と片面型の転職エージェントでは、扱う求人数とマッチングの精度に違いがあります。
両面型は、求人数が限られるものの、企業と直接やり取りするため、マッチングの精度が高くなります。
企業の社風や職場環境、採用の背景などを深く理解し、求職者に合った職場を提案できるのが強みです。
片面型は、幅広い業界や職種の求人を取り扱えるため、求職者の選択肢が豊富です。
ただし、企業の詳しい内部事情まで把握するのは難しく、入社後にギャップを感じるケースもあります。
求人数の多さを重視するか、ミスマッチを防ぐことを優先するかによって、どちらの働き方が合うかが変わります。
自分の強みや価値観に合わせて選ぶことが大切です。
両面型転職エージェントに転職するメリット
両面型転職エージェントになるメリットは、以下の通りです。
それぞれについて、詳しく解説します。
キャリアの幅が広がる
両面型の転職エージェントとして働くことで、キャリアの幅が大きく広がるメリットがあります。
企業と求職者のどちらにも寄り添いながら仕事を進めるため、調整力や交渉力が自然と身につきます。
また、特定の業界や職種に深く関わることで、専門性が高まり、より的確なアドバイスができるようになります。
企業の採用方針や市場の動向を把握するうちに、視野も広がり、経験が積み重なることで自身の市場価値も高まるはずです。
さらに、企業の採用戦略に関わる機会が増えることで、経営視点を養うこともできます。
両面型転職エージェントへの就職は、長期的に見ても大きな財産となり、将来のキャリアアップにもつながります。
ミスマッチを最小限にできる
両面型の転職エージェントは、企業と求職者の両方と直接やり取りできるため、ミスマッチを最小限にできます。
企業の採用方針や職場の雰囲気を把握し、求職者の希望や適性と照らし合わせながら紹介できるからです。
企業が求める人物像や、実際の働き方まで把握できることで、求職者に合った職場を提案しやすくなります。
求人票だけでは伝わらない職場の雰囲気や、チームの人間関係まで理解できるため、入社後のギャップを減らすことが可能です。
また、求職者がどのようなキャリアを築きたいのかを深く知ることで、企業側にとっても長く活躍できる人材を紹介できます。
丁寧なマッチングができる点は、両面型ならではの強みといえます。
一人の求職者と伴走する期間が長くやりがいが大きい
両面型の転職エージェントとして働くメリットは、企業と求職者の双方から感謝されることです。
企業の採用課題を解決しながら、求職者のキャリア形成を支援できるため、大きなやりがいを感じられます。
また、自ら収集した企業情報をどのように伝えれば求職者に魅力的に映るかを考え、その結果興味を持ってもらえたとき、エージェントとしての価値を実感できます。
さらに、長く両面型エージェントとして活躍すると、過去に支援した求職者が企業で活躍し、将来的に採用担当者として再び関わることもあります。
ただの転職サポートではなく、企業と求職者双方にとって価値あるつながりを生み出せるのは、両面型ならではの醍醐味です。
両面型転職エージェントに転職するデメリット
両面型転職エージェントになるデメリットは、以下の2つです。
それぞれについて詳しく解説します。
業務負担が大きい場合がある
両面型の転職エージェントは、企業と求職者の双方を担当するため、業務の負担が大きくなりがちです。
企業の採用ニーズを把握しながら、求職者へのサポートも行うため、業務の管理が複雑になります。
特に、求職者の応募状況や面接スケジュールの調整、企業へのフィードバックの共有など、細かい対応が求められます。
その結果、1日の業務量が増えやすく、残業が発生します。
このような負担を軽減するには、業務の優先順位を整理し、効率的な進め方を意識しましょう。
また、社内のサポート体制や業務の分担が整っているかも、転職時に確認すべきポイントとなります。
企業と求職者の板挟みになる可能性がある
両面型の転職エージェントは、企業と求職者の間に立つ立場のため、板挟みになる可能性があります。
双方の要望が食い違うことも多く、そのたびにバランスを取りながら対応しなければなりません。
企業が「即戦力」を求めているのに対し、求職者が未経験からのチャレンジを希望することもあります。
このような場合、企業にはポテンシャル採用の可能性を伝え、求職者には必要なスキルを明確に示すなど、双方が納得できる形を模索する必要があります。
また、面接日程の調整や条件交渉でも、どちらか一方の希望を優先しすぎると、不満が生まれることがあります。
双方の意見を尊重しながら、円滑に進める調整力が求められるため、精神的な負担が大きくなることも少なくありません。
片面型転職エージェントに転職するメリット
つぎに、片面型転職エージェントになるメリットを3つ紹介します。
それぞれについて、詳しく解説していきます。
専門性を高めやすい
片面型の転職エージェントは、担当する業務が明確に分かれているため、専門知識を深めやすいのが特徴です。
求職者対応を行う「キャリアアドバイザー(CA)」と、企業対応を担当する「リクルーティングアドバイザー(RA)」に分かれているため、それぞれの分野に専念できます。
キャリアアドバイザーとして働く場合、求職者のキャリア相談や面接対策、職務経歴書の添削などに携わる機会が増えます。
一人ひとりの希望を丁寧にヒアリングし、的確なアドバイスを行うことで、サポート力が自然と磨かれていきます。
一方、リクルーティングアドバイザーは、人材採用の市場動向を分析しながら、企業の採用戦略をサポートします。
企業との交渉力も求められるため、ビジネススキルを高めることにもつながります。
特定の分野で経験を積みながら、着実にキャリアアップを目指せる点が、片面型転職エージェントの魅力です。
多くの案件を扱える
片面型の転職エージェントは、多くの求人案件を扱えるため、CA・RAのどちらかに特化して経験を積みたい方に向いているといえます。
両面型と異なり、求職者対応と企業対応が分業されているため、一人あたりが担当する求職者や企業の数が増えます。
扱う案件数が多い分、いち早くPDCAを回して、CA・RAの職種に特化した人材を目指すことができるでしょう。
このように成功体験を積んでいき、いち早く顧客へのアプローチのコツをつかむことで、より早くキャリアアップを目指したり、成果によるインセンティブの獲得を目指すことも可能です。
業務効率が良くワークライフバランスを保ちやすい
片面型の転職エージェントは、業務の範囲がはっきりしているため、効率よく働けるのが特徴です。
企業対応と求職者対応を分業するため、一つの業務に集中でき、負担を抑えながら仕事を進められます。
企業担当の場合は、採用計画のサポートや求人提案に専念できます。
求職者担当なら、キャリア相談や面接対策にじっくり向き合うことができます。
複数の業務を同時に進める必要がないため、無駄な負担を感じにくい働き方といえます。
また、大手のエージェントではシステムが整備されており、データベースを活用しながら業務を進める場面も多くあります。
タスク管理がしやすく、残業を抑えやすい働き方ができるのも、片面型転職エージェントの魅力です。
片面型転職エージェントに転職するデメリット
片面型転職エージェントになるデメリットは、つぎの通りです。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
CR・RAの担当外の情報を獲得しにくい
片面型の転職エージェントは、企業とのやり取りが限られるため、社内の雰囲気や採用担当者の考えを細かく把握しにくいことがあります。
特に、キャリアアドバイザー(CA)は求職者のサポートが中心となるため、企業の内部事情を詳しく知る機会は多くありません。
そのため、職場の雰囲気や働く人の特徴、実際の業務内容など、求職者が気になる情報を十分に伝えられない場合もあります。
求人票だけでは分からない企業のリアルな部分を知るには、リクルーティングアドバイザー(RA)との連携が欠かせません。
こうした情報の不足が、入社後のギャップにつながることもあります。
ミスマッチを防ぐためには、企業の特徴を正確に把握し、可能な限り具体的な情報を伝える工夫が必要です。
情報伝達のズレがミスマッチにつながりやすい
片面型の転職エージェントは、企業担当(リクルーティングアドバイザー)と求職者担当(キャリアアドバイザー)が分かれているため、情報がスムーズに伝わらないことがあります。
企業がどんな人材を求めているのか、面接で何を重視するのかといった重要なポイントが、求職者に正しく伝わらないケースも少なくありません。
その結果、面接で効果的にアピールできず、本来通過できるはずの選考を逃してしまうこともあります。
また、選考後のフィードバックが十分に共有されないと、求職者が次に活かせる学びを得にくくなります。
情報のズレを防ぐには、企業担当と密に連携を取り、求職者にできるだけ正確な情報を伝える工夫が必要です。
人材紹介業への転職活動前に確認しておきたい条件
人材紹介業への転職を考える際、どのような条件を重視すればよいのでしょうか。
両面型・片面型や業務割合、給与体系など、事前に確認しておきたいポイントについて解説します。
両面型か片面型か?
人材紹介業へ転職する際は、両面型と片面型のどちらが自分に合っているかを確認しましょう。
それぞれの働き方には異なる特徴があり、業務の進め方や求められるスキルも変わります。
両面型の特徴
- 企業と求職者の両方を1人の担当者が対応する
- 企業の採用背景や社風などの詳細な情報を把握しやすい
- 企業と求職者の間で直接調整できるため、ミスマッチを防ぎやすい
- 企業対応と求職者対応を並行して行うため、業務量が多くなりやすい
- 取り扱う求人数は限られるが、マッチングの精度が高い
片面型の特徴
- 企業担当(リクルーティングアドバイザー:RA)と求職者担当(キャリアアドバイザー:CA)に分かれている
- それぞれの業務に専念できるため、専門性を高めやすい
- 求人数が豊富で、求職者の選択肢が広がる
- 企業の内部事情を把握しにくく、情報伝達のズレが生じることがある
- 担当者が直接企業とやり取りしないため、条件交渉の際に調整が難しくなることもある
両面型は、企業と求職者の双方を深く理解しながらマッチングを行える点が強みです。
一方、片面型は専門性を高めながら効率的に業務を進められるため、多くの案件を扱いやすくなります。
どちらの働き方が合っているかは、自分のキャリアの方向性や働き方のスタイルによって変わります。
CA・RA業務の割合(両面型の場合)
両面型の転職エージェントでは、キャリアアドバイザー(CA)とリクルーティングアドバイザー(RA)の役割を1人で担います。
業務の割合は会社や担当領域によって異なりますが、一般的には以下のように分かれます。
新規開拓を重視する会社ではRA業務の比重が大きく、求職者支援に力を入れる会社ではCA業務の割合が高くなる傾向があります。
また、ハイクラス向けの転職支援では、企業との交渉や深い関係構築が求められるため、RA業務の割合が増えることが一般的です。
取り扱う人材の領域は?
人材紹介業に転職する際、取り扱う人材の領域は重要なポイントです。
エージェントごとに専門とする分野が異なるため、自分がどの領域に関わりたいのかを明確にする必要があります。
以下に、主な取り扱い領域とその特徴をまとめました。
領域 | 特徴 | 求められる知識・スキル |
エッセンシャルワーカー | 医療・介護・物流・小売・教育など、社会に不可欠な職種を対象とする。 | 各職種に応じた資格(例:看護師免許、介護福祉士資格)や、業界知識が必要。 |
ミドル人材 | 35歳以上の即戦力人材が対象。マネジメント層や専門職の転職支援が中心。 | 経営・管理職経験、業界特化の専門スキル(財務・マーケティングなど)。 |
医療専門職 | 医師・看護師・薬剤師など、医療業界の専門職を対象とする。 | 医師免許、看護師資格、薬剤師資格などの法的要件を理解する知識。 |
コンサルタント | 経営・IT・人事などのコンサルティング業務に従事する人材を支援する。 | 論理的思考力、分析力、問題解決能力、MBAやIT資格など。 |
転職前には、いくつかのポイントを確認することが大切です。
まず、自分が目指す業界や職種に強みを持つエージェントかどうかを把握しましょう。
エージェントごとに得意とする分野が異なるため、専門性を理解したうえで選ぶことが重要です。
次に、これまでの経験を活かせる領域か、それとも新しい分野に挑戦できる環境があるのかを見極める必要があります。
自身のキャリアとの相性を考え、適したエージェントを選ぶことで、転職後のスムーズなキャリア形成につながります。
また、業界ごとに求められるスキルや資格が異なるため、事前にしっかりと理解しておくことも欠かせません。
必要な知識を身につけ、転職後に十分な実力を発揮できるよう準備を整えることが大切です。
どの領域を扱うエージェントかを理解し、自身のキャリアに適した転職先を選びましょう。
インセンティブやボーナスがあるか?
人材紹介業では、企業ごとに給与体系が異なり、インセンティブの有無が収入に大きく影響します。
転職を考える際は、どのような報酬体系が採用されているのかを事前に確認しましょう。
人材紹介会社の給与体系には、以下の3つのタイプがあります。
給与体系 | 特徴 |
年俸制 | 年間の報酬が固定され、業績による変動が少ない。安定した収入を得られるが、成果を上げても報酬には直結しない。 |
固定給+賞与(会社業績重視) | 基本給+会社全体の業績に応じて賞与が支給される。個人の成果が直接反映されにくいが、チームで成果を出す企業文化のある会社に多い。 |
固定給+賞与(個人業績重視) | 基本給+個人の成果に応じたインセンティブが支給される。最も一般的な給与体系で、高収入を狙いやすいが、成果によって収入に変動がある。 |
インセンティブの計算方法は、企業ごとに異なります。
転職を検討する際には、インセンティブの具体的な計算方法や、成果を出せなかった場合の基本給の保証についても確認しておくことが大切です。
また、企業の方針が個人の成果を重視するのか、それとも会社全体の業績を重視するのかによって、働き方のスタイルが変わります。
自身のキャリアプランや働き方に合った報酬体系かどうかを慎重に見極めましょう。
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