
RA(リクルーティングアドバイザー)とCA(キャリアアドバイザー)の違いとは?
人材紹介会社の役割は、リクルーティングアドバイザー(RA)とキャリアアドバイザー(CA)の2種類があります。
転職エージェントに興味はあるものの、
「RAとCAってどう違うの?」
「自分に向いているのはどっち?」
「どちらが稼ぎやすいのか知りたい」
と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、リクルーティングアドバイザー(RA)とキャリアアドバイザー(CA)の違いを解説します。
転職エージェントとして、自分に合った働き方を見つけたい方はぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
・RAとCAの違い
・RA・CAの業務内容や成果までのプロセスの違い
・RA・CAの両面型・片面型のキャリアパスの違い
・RAとCA・両面型と片面型、どちらの方が稼げるか
・RA・CAの業務で得られるやりがい
目次
RAとCAの違いとは?
人材紹介会社における社員の役割は、大きく2つに分かれます。
RAとCAでは、担当する相手や業務内容が異なり、それぞれに求められるスキルも異なります。
RA(リクルーティングアドバイザー) | CA(キャリアアドバイザー) | |
営業の対象 | 法人(企業の人事・採用担当者) | 個人(転職希望者) |
主な役割 | 採用ニーズの把握、人材の提案 | キャリア相談、求人の提案 |
主な業務内容 | ・求人票の作成・人材のマッチング・採用戦略の提案 | ・キャリア面談・応募書類の添削・面接対策 |
ここからは、両者の業務内容や求められるスキル、キャリアパスまで詳しく解説していきます。
RA・CAの業務内容の違い
RAとCAの大きな違いは、担当する業務内容の違いです。
ここでは、それぞれの業務内容を詳しく解説していきます。
RAの業務内容
RA(リクルーティングアドバイザー)は、企業の採用活動を支援する役割を担います。
経営層や人事担当者などとやり取りをしながら、採用に関する課題を丁寧にヒアリングします。
たとえば、以下のような業務を担当します。
RAの業務内容
- 採用ニーズのヒアリングと人材要件のすり合わせ
- 適切な候補者の提案
- 採用活動全体に関するアドバイス
- 育成や組織体制に関する相談対応
RAは、採用だけでなく育成や組織体制に関する相談を受けることもあります。
紹介した人材が入社に至った時点で報酬が発生する成功報酬型のビジネスであるため、契約よりも採用成功が求められます。
RAには、企業と信頼関係を築くことで、企業の求める人材像や企業の実態等の情報をヒアリングし、適切な人材マッチングができる状態を作ることが重要です。
CAの業務内容
CA(キャリアアドバイザー)は、求職者の転職活動を多方面から支える役割を担います。
転職理由や将来の目標を丁寧にヒアリングし、その人に合った求人を提案します。
主な業務内容は、以下のとおりです。
CAの業務内容
- 履歴書や職務経歴書の添削・作成支援
- 面接対策や模擬面接の実施
- 面接日程や入社日の調整
- 条件交渉や選考結果のフィードバック
- 入社後のフォローアップやキャリア相談
求人を紹介するだけではなく、求職者の気持ちに寄り添い、納得のいく転職を支えることがCAの大切な役割です。
RA・CAの業務プロセスの違い
RAとCAは、業務の進め方にも違いがあります。
ここでは、それぞれの業務プロセスがどのように異なるのかを紹介します。
RAの業務プロセス
RA(リクルーティングアドバイザー)は、企業の採用活動を根本から支える仕事です。
契約前のアプローチから入社後のフォローまで、一連の流れを丁寧に進めていく必要があります。
主な業務プロセスは以下のとおりです。
①企業へのアプローチ | 電話や紹介、広告などを活用して採用課題を持つ企業に接触する |
②契約の締結 | 募集要件や手数料などを確認し、人材紹介契約を正式に取り交わす |
③求人情報の整理 | 求める人物像や企業の特徴をヒアリングし、求人票を作成 |
④社内共有・CA連携 | 求人情報をCAに共有し、候補者の選定や紹介につなげる |
⑤選考調整 | CAと連携しながら企業との日程調整や書類提出、推薦文の作成などを行う |
⑥内定・入社支援 | 入社日や条件の確認を行い、労働契約締結までフォローする |
⑦請求処理 | 入社が完了した段階で請求書を発行する |
⑧アフターフォロー | 入社後の状況を確認し、継続的な採用ニーズをヒアリング |
それぞれの段階で求められるのは、スピード感・正確性・丁寧なコミュニケーションです。
RAは単なる営業ではなく、企業の採用活動をともに支えるパートナーとして信頼を築いていく役割を担っています。
CAの業務プロセス
CA(キャリアアドバイザー)は、求職者の転職活動を一貫してサポートする仕事です。
不安や迷いに寄り添いながら、納得のいく転職へ導くため、丁寧な対応が求められます。
主な業務の流れは以下のとおりです。
①アプローチ | スカウトメールやSNS、自社DBなどで求職者へ接触 |
②初回面談 | 経歴や転職理由、希望条件をヒアリング。30〜60分が目安 |
③書類サポート | 履歴書・職務経歴書の添削や作成支援。テンプレートを用いる場合もあり |
④求人紹介 | ヒアリング内容をもとに最適な求人を提案し、推薦理由も伝える |
⑤選考調整 | 応募意思を確認後、企業と日程調整を行う。ツール活用も検討 |
⑥面接対策 | 必要に応じて模擬面接やフィードバックを実施 |
⑦内定・入社調整 | 内定連絡後、入社意志を確認し、準備が円滑に進むようサポート |
⑧アフターフォロー | 入社後の不安をケアし、紹介者満足度の向上にもつなげる |
このようにCAは、面談から入社後のフォローまで長く寄り添う存在です。
求職者一人ひとりの状況に応じた細やかな対応が、信頼を得る大切な要素となります。
RA・CAに求められるスキルの違い
RAとCAでは、担当する業務や相手が異なるため、求められるスキルにも違いがあります。
ここでは、それぞれに必要とされるスキルの特徴について紹介します。
RAが求められるスキル
RA(リクルーティングアドバイザー)には、企業の採用を成功に導くための幅広いスキルが求められます。
商談対応から社内調整まで、多くの関係者と連携しながら仕事を進めるため、柔軟かつ戦略的な対応力が必要です。
主なスキルは次のとおりです。
RAが求められるスキル
- 商談・交渉力
企業の採用課題を把握し、信頼関係を構築する力を持つ。魅力的な求人を引き出す交渉も担う。 - 業界・企業理解
事業内容や成長性を深く理解し、企業の強みを正確に捉える。 - 社内広報力・文章力
求人票や社内共有文で魅力を伝え、CAや求職者の関心を引く。 - スピード対応・正確な調整力
日々変化する採用状況に即応し、的確な情報をスムーズに連携する。
RAは企業と求職者をつなぐ架け橋として、細やかな配慮と判断力が問われています。
CAが求められるスキル
CA(キャリアアドバイザー)に求められるのは、求職者の想いに寄り添いながら、最適な選択肢へ導く力です。
転職という大きな決断に向き合うからこそ、丁寧な姿勢や細やかな気配りが欠かせません。
たとえば、次のようなスキルが必要になります。
CAが求められるスキル
- 関係構築力
安心して相談できる空気をつくり、信頼関係を築く。 - 傾聴力と理解力
価値観や人生観を丁寧に受けとめ、深く理解する。 - 課題整理と目標設定スキル
対話を通じて、転職理由や今後の目標を明確にする。 - 専門知識と提案力
業界情報や求人内容を正しく伝え、具体的な支援を行う。 - コミュニケーション・調整力
企業やRAとの連携を円滑にし、選考をスムーズに進める。 - 事務処理力とIT活用力
複数案件を同時に管理し、正確かつ迅速に対応する。 - 営業意識と倫理観
成果を意識しながらも、求職者の意思を尊重する姿勢を貫く。
CAの仕事は、求人を紹介するだけではありません。
1人ひとりの将来に関わる仕事だからこそ、信頼と誠実さが大切です。
RA・CA業務には両面型・片面型がある
RA・CAの業務には「片面型」と「両面型」の2つのタイプがあります。
- 片面型:RAとCAが分業されており、企業側・求職者側のいずれかを専任で担当します。
- 両面型:ひとりの担当者が、企業と求職者の両方を担当します。
大手の人材紹介会社では分業制を採用していることが多く、片面型の働き方が主流です。
一方で、業界特化型や少数精鋭のエージェントでは、両面型が活躍しています。
担当する業務範囲は企業ごとに異なるため、事前に業務内容を確認することが大切です。
長く活躍するためにも、自分の志向や働き方に合ったタイプを選びましょう。
RA・CAの両面型・片面型のキャリアパスの違いは?
RA・CAとしての経験を積んだ先に、どのようなキャリアパスがあるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、両面型・片面型それぞれのキャリアパスの違いについて紹介します。
片面型CAのキャリアパス
片面型CAとしての経験は、転職支援の専門性や対人スキルを高めるだけでなく、将来的に多様なキャリアへと展開できます。
以下に、代表的なキャリアパスを紹介します。
片面型CAのキャリアパス
ヘッドハンター
・経営層や専門職などハイクラス人材を対象にスカウトを行う
・企業の成長戦略に沿った人材提案を行うため、業界理解と高い交渉力が必要
・企業との信頼関係をもとに、重要なポジションの採用を支援できる
カスタマーサクセス職
顧客の課題に寄り添い、長期的な信頼関係を築く力が求められる
インサイドセールス職
面談やメール・電話対応のスキルが、顧客との関係構築に役立つ
片面型CAの経験は将来的に多方面で活かせます。
対人支援のスキルや業界理解を深めておくことで、キャリアの選択肢はさらに広がっていきます。
片面型RAのキャリアパス
片面型RAとして培った営業力や採用知見は、多様な職種への転身に活かせます。
採用支援の専門性を高める道もあれば、異分野での挑戦も可能です。
代表的なキャリアパスは、以下のとおりです。
片面型RAのキャリアパス
人事職
・採用実績を活かし、自社の人事課題を解決。
・育成や制度設計などへの関与も可能。
異業界の営業職
・提案力・交渉力を活かし、保険やIT営業など無形商材の分野で活躍できる。
ヘルスケアやIT業界など
対人スキルや情報整理力が求められる分野では、両面型での経験が応用可能
片面型RAの経験は、採用領域にとどまらず、幅広いフィールドでの活躍が可能です。
両面型アドバイザーのキャリアパス
両面型アドバイザーの経験は、その後のキャリアにおいても大きな強みになります。
求職者と企業の両方に向き合いながら培った提案力や調整力は、他業界でも高く評価されます。
両面型アドバイザーのキャリアパスは、以下のとおりです。
両面型アドバイザーのキャリアパス
人事・採用担当職
企業側と密に連携していた経験をもとに、自社の人材戦略に関わる仕事へ転身
人材コンサルタント
・企業の採用や組織課題に対して、戦略的なアドバイスを提供
・採用にとどまらず、育成や人事制度の改善など、幅広い支援を担う
・データ分析や論理的思考が求められ、経営層とのやりとりも発生する
フリーランスキャリアコンサルタント
・企業や個人に向けてキャリア相談を提供
・自分の専門性やスタイルに応じた自由な働き方が可能
・教育機関や自治体と連携し、社会的な支援活動に関わるケースもある
両面型アドバイザーで培ったスキルは、職種を超えてキャリアの幅を広げる力になります。
RA・CAに関するよくある質問
RA・CAに関するよくある質問を紹介します。
RAとCA・両面型と片面型、どれが稼げるの?
報酬体系は企業によって異なりますが、一般的には両面型の方が高収入を得やすい傾向にあります。
RA・CAの両方を担当する分、成果に応じたインセンティブが反映されやすいためです。
一方で、片面型は役割が分かれているぶん、評価基準や歩合の比率が低めに設定されているケースも見られます。
年収を重視するなら、報酬制度の詳細を事前に確認することが重要です。
RAとCAではどちらが激務?
どちらが激務かは一概に言えず、求められるスキルや社内体制によっても異なります。
RAはノルマ達成や新規開拓に追われ、営業色が強い職種です。
一方CAは、求職者との面談や書類添削、面接対策などサポート業務が中心で、対応時間が夜間や土日に及ぶこともあります。
特にCAは、転職という人生の大きな選択を支える立場にあるため、精神的なプレッシャーも感じやすいです。
RA・CAの業務のやりがいに違いはある?
RAとCAでは、やりがいの感じ方に違いがあります。
RAは企業の人材課題に深く関わり、採用成功によって経営に貢献できる点に魅力があります。
経営者や人事と対等に話しながら、事業の成長を支える実感が得られます。
一方、CAは転職を考える求職者の人生の転機に立ち会えるのが特徴です。
入社後に「この会社を紹介してくれてありがとう」と言われた瞬間は、何ものにも代えがたい達成感につながります。
どちらも大きな責任を伴いますが、それぞれ異なる立場から人の未来に寄り添える点に共通のやりがいがあります。
RA・CAは業務内容やキャリアパスなど違いが生じる
RAとCAは、それぞれ役割もキャリアの歩み方も異なります。
RAは企業の成長を支えるパートナーとして、採用の課題に向き合います。
一方で、CAは転職を考える方に寄り添いながら、新しい一歩を後押しする存在です。
どちらも人と組織に深く関わる仕事だからこそ、自分の得意なことや大切にしたい思いに合わせて選ぶことが大切です。

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