「人材紹介事業が伸びている」、「知り合いが人材業界に転職した」
そんな声を聞くことが増えて来ました。
筆者は6年以上人材紹介事業に携わってきましたが、ここ数年で人材紹介事業を開始した企業・個人事業主がかなり増えていることは事実です。
また、実際筆者の周りでも人材紹介会社への転職を考えている人は多いです。
「最近流行っているけど本当に長く続く事業なの?」、「人材紹介の営業などを経験した人の将来性は?」
など、最近ニーズが高まっている業態だからこそ、わからないことも多いのではないでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、以下の内容を深く理解していただけると思います!
・人材紹介事業がなぜ流行っているのか
・人材紹介事業の経験者のキャリアパスとは
・人材紹介事業の安定性・将来性
等々、それでは解説していきます!
そもそも人材紹介業とは何か
厚労省の定義
人材紹介事業について、厚労省の定義を借りてみます。
職業安定法第4条第1項においては、「求人及び求職の申し込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立を斡旋することをいう。」と定義されています。
大枠としてはこのような定義になりますが、更に「有料職業紹介事業」と「無料職業紹介事業」に二分されます。2022(令和4)年10月1日現在で、無料職業紹介の事業者数は3,975、有料職業紹介の事業者数は29,422と、有料職業紹介の方が約8倍程度多いことが分かりますね。
また、無料職業紹介免許ではいかなる名義であっても手数料や報酬を受け取る事が出来ず、したがって世の中の人材紹介会社の多くは、有料職業紹介免許を取得しているということになりますね。
人材紹介会社ごとの違いとは
人材紹介事業を運営している会社は非常に多いですが、
それぞれの違いを生み出す要素としては以下のようなものがあります。
採用形態:正社員、契約社員、業務委託など
職種:営業職、マーケティング職、技術職、管理職、デザイナー職など
業界:全業界対象、人材業界、IT業界、通信業界、建設業界、医療業界など
エリア:東京、大阪、地方、都道府県別など
年齢:新卒、20代、30代、40代など
例えば、特定分野だけに限定せず、多くの領域で人材紹介事業を手掛けているのが”総合型と呼ばれるもので、リクルート、パーソル、パソナなどが該当します。
一方で、領域特化型の人材紹介会社としては、弊社のようなHR・人材業界特化型の”ヒトキャリ”はもちろん、ハイクラス人材に特化したヘッドハンティング会社のJACリクルートメント、若手20代の第二新卒をターゲットにしたRe就活、などがあります。
人材紹介事業者数の推移
冒頭でもお伝えしていた通り、
人材紹介事業が流行ってきていることは筆者も皆さんも
感じていらっしゃるかと思います。
厚労省のデータを引用して確認してみましょう。
上記は、民営職業紹介事業所数の昭和63年度から令和4年度までの推移グラフになります。
遠目から見ても明らかなのは、マクロに見ると常に事業所数が増えているという事実。
平成19年ころから一時は減少に転じているが、有料職業紹介事業者の数は平成23年度を皮切りに上昇し続けていることが分かります。特に平成28年度から現在に至るまでの増加率は突出していますね。
数字を見ていると、ここ数年で「人材紹介が流行っている」というのも間違えでは無いことが分かります。
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最近人材紹介事業が流行っている理由とは
ここまで、人材紹介事業に対するそもそもの説明と、本当に人材紹介事業が伸びてきているのかについて確認してきました。
それでは、なぜここまで人材紹介事業が伸びてきているのでしょうか。
そもそも、事業を伸ばすには人の力が不可欠です。AIが市場を徐々に奪い始めていますが、その分新しい市場が生まれ、人が必要になる。また、AIでは代替できない職種もまだまだたくさん存在する。人が事業の成長要因である中で、人材需給のバランスが狂い始めています。
人手不足が騒がれる中、スタートアップブームも生じ、企業にとっては今まで以上に「優秀な人材を取ることの重要度」が高まってきている状況です。
ここまで人材マーケットが売り手市場の状況に陥ると、企業が採用活用に注力しなければ良い人材が集客できないのは当然です。だからこそ、ビズリーチを始めとするダイレクトスカウトサービスや、Wantedly、Youtrustのような従来では見なかった新サービスが登場してきています。
その中で、人材紹介事業が伸びてきているのは、「採用費用をかけてでも良い人材を採りたい!」と捉える事業者のニーズが増えてきているからだと言えます。伸びている会社ほど、人材への投資を重要視していることが多いように思います。
そのニーズに対してエージェントモデルは強く応えるものとなっています。
主なところとして、
1)自社の目線に合った優秀人材が応募してくる
2)エージェントが人事の味方となって採用をアシストとしてくれる
3)人事の工数を代行する
上記の3点が大きく伸びている背景なのではないかと考えています。各項目ごとに詳しく説明します。
自社の目線に合った優秀人材が応募してくる
会社ごとの事情をよく理解し、また候補者のニーズも適切に理解した上で、エージェントが最適なマッチングを生み出してくれる。したがって、自社の目線にマッチしない方の紹介は少なく、欲しい人材をピンポイントで紹介してくれる為、エージェントモデルは大きな価値の源泉となっています。
エージェントが人事の見方となって採用をアシストしてくれる
エージェントは採用×営業のプロ。エージェントが候補者に対して適切な投げかけやフォローアップをすることにより、採用成功率も向上する構図になっています。
人事の工数を代行する
自社で候補者を集客するには莫大な費用が必要です。
エージェントは独自の集客チャネルを持ち、そもそもの母集団形成から代行しているため、自社ではできない工数を請け負ってくれているのです。
人材紹介事業に将来性はあるのか
結論からお伝えすると、断言はできないというのが本音になります!(笑)
パンデミックやリーマンショックなど、どんな要因が事業を襲うかも分かりませんし、生成AIが市場を席巻している事も含め、将来トレンドは誰にも分からないです。
したがって、あくまで”予測”ベースでのお話になりますが、伸びていくモデルであると私は考えています。
主に人材紹介サービスを使いたいという企業側と、人材紹介エージェントに相談したいという候補者側の、双方のニーズが停滞せず伸びている状況の説明が、人材紹介の伸びにも繋がるため、2つの視点から説明していきます。
①企業側のニーズ
採用競争の激化による需要の増大が最も大きい背景と言えます。前述の通り、採用競争が激化していることは人材紹介事業が伸びる一因と言えます。
人材難により、人材の数が不足してくる中で、採用需要が供給を上回り、需要が増加することは自然な流れ。日本の今後のトレンドとしても、少子高齢化の進行により人材難が続くことは自明です。
また、社会の変化に応じて多様なビジネスモデルが生じ、そのパラダイムシフトに適合する必要があります。そのトレンドのキャッチアップを自社の人事だけで完結させることは非常に難しく、各領域に精通した人材紹介エージェントが適切に集客し紹介するスキームに頼ることで、長期的な事業運営を安定化させることができる為、こちらも企業ニーズが衰えない要因といえるでしょう。
②転職者側のニーズ
キャリアの複雑化が進む中、転職のプロの必要性が増加します。
これは先ほどの話共にていますが、社会や事業モデルの複雑化に応じて、
適切なキャリア形成を考える難易度も上昇していると言えます。
そんな時、各領域に精通したエージェントへの相談が最適なソリューションの一つとして機能するはずです。
また、転職に対する抵抗意識の低下も一定存在しています。欧米のジョブ型雇用が、グローバルの波と共に日本に押し寄せる中で、更に円安が進む日本では従来の慣行からシフトする必要性に迫られています。転職に対する抵抗感が減少し、自身でキャリアを設計していく時代になってきている為、転職回数も増加し、転職エージェントの活用機会も必然的に伸びていくといえます。
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人材紹介の経験は価値がある!?
ここまで読まれた方の中には、人材紹介会社への転職を考えている人も多いはず。
結論からお伝えすると、人材紹介の経験を積んだ場合のキャリアパスは非常に多様です!
もちろん人材紹介エージェントとして年収1000万円を目指すことも可能ですし、そのまま人材紹介会社内でマネージャーへ昇進したり、ジョブチェンジしてマーケティング等に移行したりしていくことは往々にしてある他、
採用の強みを活かして人事としての専門性を高めていくケース、やや大きなステップアップですが組織・人事コンサルティングへチャレンジするケース、更には独立して人材紹介事業を運営するケースなど、
非常に多くフィールドが広がっています。
良い意味で、将来のキャリアの基軸になる職業ともいえますね。
最後に
いかがでしたでしょうか?
人材紹介事業は今後も伸びていく傾向にあり、転職先の一つとして考えていらっしゃる方にはおすすめの業種です。
少しでも参考になっていれば幸いです!
また、現在、弊社では人材・HR領域に特化した人材紹介サービス”ひとキャリ”を運営しており、領域に精通したキャリアコンサルタントから最適な求人の提案を受けることが可能です!
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最後まで閲覧頂きありがとうございました!