人事職は激務?ブラック?やめとけと言われる理由を徹底解説!

企業には営業部、マーケティング部、経理部などさまざまな部署があり、それぞれが役割を担っています。

なかでも社内人材の活用と通じて組織を活性化・発展させることがミッションの人事部には相当のやりがいがあります。人事部は企業の戦略的な役割を担っていることから企業の中でも主要部署にあたり、出世コースと位置付けされていることも多いです。

しかし、希望していた人事部に配属されたものの、「辞めたい」と感じてしまう人や、周囲から「人事部、人事職はやめとけ」という声を聞くことがあるのも事実です。

今回は人事の仕事を深く掘り下げながら、やめとけと言われる理由を徹底解説します。

ぜひ最後までご覧ください!

目次

人事の仕事とは?

人事の仕事は、組織を発展させるという目的を達成するための人材管理に関する業務全般を担います。

業務範囲は人材採用、配置、教育、評価、労務、給与など幅広い領域に関わります。企業によっても異なりますが、一般的な人事の仕事として、以下の活動があります。

採用活動

新しい従業員を募集し、選考プロセスの管理を行います。採用活動に含まれる業務には、求人広告の作成、面接の実施、候補者の選定、雇用条件の交渉などが挙げられます。これらをスケジュール通りに進行し、目標の採用人数を満たすことがミッションです。

人材研修・評価

従業員のスキルや能力を向上させるための人材研修を計画、実施します。キャリア開発プランの策定や従業員のパフォーマンス評価も行います。

給与と福利厚生

従業員の給与計算や福利厚生制度の管理、自社が社会保険や労働法に関する規制へ準拠しているかを確認・調整します。あわせて、給与の調整や手当の管理も担当します。会社と従業員の橋渡しになる活動です。

人事施策の策定

組織全体の人事施策策定や改善を行い、組織のビジョンや目標に沿った人材戦略を実現します。現場仕事よりも上位の観点で、全体を俯瞰しながら企業の方向性を決める仕事です。

一口に人事と言っても、現場の実務から組織の方向性を決定付ける業務まで多岐に渡ることをご理解いただけたと思います。自分がもし人事部への配属になった場合、業務内容を把握し、業務内容の詳細理解に努めることが必要です。

人事はやめとけと言われる理由

上述の通り、人事の仕事は大きなやりがいがあり、働く人には高い能力が求められます。

一方で、人事として働く人からは「辞めたい」という声や、周囲から「人事はやめとけ」と言われることもあります。なかなか表には出てこない、人事特有の厳しさについて詳しく紹介します。

イベントや研修で休日が取りづらい

採用イベントはたくさんの求職者が参加できるように、土日に行われることが多いものです。

当然ながら、人事担当者は強制的に休日出勤になります。また、平日でも社員向けの研修があると、希望する日に有給が取れず休めないということも。

人事担当者になると、自分の都合ではなく、会社の都合にあわせて休日を取らなくてはいけないため、自由度が制限され窮屈に感じることがあります。

自身の仕事が与える貢献を感じにくい

ありがとうの言葉で、仕事の大変さが報われたことは誰しも経験があるでしょう。

人事の仕事は、直接顧客と接する機会がないため、営業やカスタマーサポートなどの仕事に比べて、感謝されたり役に立ったと実感する機会が少ない傾向にあります。

現場であれば顧客から電話越しでも「ありがとう」と声をかけられることがあります。そうした声はやりがいやモチベーションアップにもつながりますが、人事担当者は自社の社員に向き合っているため、労力や努力に比して手応えがないと感じることがあります。

現場から理解されない

ほかの部署からすると人事の仕事の中身は見えにくいもの。実際には、人事に配属されないとわからない仕事はたくさんあります。本当はたくさんの業務を同時進行しているのに理解してもらえないのは辛いことです。「人事はやめとけ」と言われることは、このような事情も一因なのでしょう。

法律への対応が難しい

社内で何か問題が起こればすぐに対応が必要な人事部。難しい言葉で書かれている法律をしっかり解釈し、会社がどう動くべきかの判断もしなくてはなりません。また、法令改正があるたび会社の規定を見直す必要はないかなどの検討をする必要があります。間違った対応はできないというプレッシャーからストレスを感じてしまうでしょう。

繁忙期が定期的に訪れる

人事には一般的に月1回、年5回の決まった繁忙期があり、その時期は自ずと残業が増えプライベートな時間は取りにくくなります。

まず月1回の繁忙期は、毎月の給与計算を行う時期です。基本給以外に手当・控除など、社員の数だけ計算・処理があります。

次に年5回の繁忙期は、採用活動の時期、新入社員入社時期、査定・昇給の時期、年度更新、社会保険算定の時期、年末調整の時期です。ミスが許されない仕事のため、複数回・複数人でのチェックが必要なため、これらの時期の残業は多くなります。

以上をまとめると、人事の仕事とは休暇取得の自由度が低く、努力が表に出ず、繁忙期は残業が多く、あらゆる仕事にミスが許されない。この状況に追い込まれるのであれば、「人事の仕事はやめとけ」という評判にも頷けるのではないでしょうか。

人事に向いている人

それでは、人事に向いている人にはどんな特徴・能力があるのでしょうか。

以下の特徴が概ね当てはまる場合、人事部に向いていて、やりがいをもって業務に取り組みことができるでしょう。

良好な人間関係を築けるコミュニケーション能力

人事職には、優れたコミュニケーション能力が求められます。業務を通して、社内外のさまざまな人と関わりをもつことが多いためです。

自社の魅力を伝えるための発信力

将来の仲間となる応募してきた方に対し、組織の魅力や風土などを正しく知ってもらうためには、自社の魅力をわかりやすく、熱意をもって伝える能力が求められます。

▍社内外の現状を把握するための情報収集能力

情報収集能力も、人事職に求められる能力のひとつです。近年における人事のトレンドや、時代の流れに沿った新たな採用方法、労務に関する新しい法律の制定、改正など、人事職はさまざまな情報を収集および分析しなくてはなりません。

臨機応変に対応できる管理能力

企業の人事部門は、年単位で採用スケジュールを組み立てるケースが少なくありません。遅滞なくスムーズに進行するためには、臨機応変な管理能力が求められます。

目標達成力

採用目標人数や労働環境の数値アップなど、設定した目標を達成する力も必要です。

目標を達成するのに何が必要なのかを考え、主体的に行動できる人が人事の仕事には向いています。

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それでも、人事に転職するなら

人事の仕事に対してやめとけと言われることには、相応の理由があることが分かりました。

改めて、もう一度人事の仕事に目を向けて、良い面を考えてみましょう。

さまざまな人との信頼関係構築、将来を担う人材を育成、活動を通じて組織の継続的な発展に貢献するなど、人事の仕事には大きなやりがいがあります。華やかさはありませんが、組織にとって不可欠な仕事であると言えます。

仕事の充実感は、他人からもたらされるのではなく、自身で作ることができます。自分だけの志し、信念があればよいのです。あえて厳しさを受け入れて、その先のやりがいを掴みたいと考えるなら、ぜひ人事の仕事にチャレンジしてみてください。

一歩踏み出すことにためらわれるなら、転職エージェントなど専門家の力を借りるのもよいでしょう。皆さんのキャリアが良い方向に進むことを願っています。

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この記事を書いた人

"人から、明るく"をスローガンに人材HR業界のことを幅広く発信。人材業界or人事職出身者で構成された編集部メンバーが、業界のリアルをお届けします。

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