異業種から人材業界の営業、特にはキャリアアドバイザーとして転職をしたい!という方の中には、「人材業界は稼げると聞いたから」「人材業界の知人がインセンティブでとても稼いでいるから」という方も多くいらっしゃいます。 本記事では、人材紹介会社の年収の仕組みや、「実際稼げるのか?」を解説していこうと思います。
人材紹介会社の平均年収
まずは人材業界のメインプレイヤーとも言える、人材紹介事業を運営する上場企業10社の平均年収を見てみると、その平均年収は654万円という結果となりました。 令和4年度時点での日本全国の平均年収は正社員雇用で523万円であることから、平均からしても高いということができるでしょう。
(参考: 上場企業平均年収)
企業名 | 平均年収 |
リクルートホールディングス | 11,389,672 |
JACリクルートメント | 8,467,000 |
パーソルホールディングス | 7,272,790 |
パソナ | 6,192,000 |
ディップ | 5,086,000 |
エン・ジャパン | 4,988,000 |
エス・エム・エス | 5,030,000 |
クイック | 6,480,943 |
キャリアデザインセンター | 5,446,000 |
アルバイトタイムス | 5,112,760 |
(有価証券報告書参照)
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人材紹介会社の給与の仕組み
└パターン① 年俸制
└パターン② 固定給+賞与(会社業績比重重め)
└パターン③ 固定給+賞与(=インセンティブ)(個人業績比重重め)
パターン①年俸制
予め年間の給与が決まっていて、個人の業績や会社の業績によって変わらないパターンの給与体系が、この年俸制です。
このパターンを取っている人材紹介会社はあまり多くはありませんが、人材紹介会社の中でも管理職などのマネジメントポジションの場合には、年俸制を引いている場合も時折あります。
パターン②固定給+賞与(会社業績比重重め)
固定給がある程度担保されていて、プラス部分は会社の業績により変動する、と取り決めている会社も少なくはありません。
この場合には、ある程度最初の時点で賞与の基準(例えば、「最低でも月給のXXヶ月分は保証」など)が決められていて、会社の業績によって増減することが定められているケースです。
特に、創業間もないベンチャー企業や、どうしても個人プレーになりがちな人材紹介事業者の中でも、個人 < 組織を優先する会社においては、このパターンをとることがあります。
パターン③固定給+賞与(=インセンティブ)(個人業績比重重め)
人材紹介会社の給与の仕組みにおいて、最も多く取られているパターンがこのパターンです。
やはり、個人の力量に依ることが多い人材紹介の営業において、個人の成果をそのまま報酬として還元をする仕組みを取っている会社が多いようです。
もちろん会社によってそのインセンティブ計算の方程式は様々で、中には複雑な形を取っている会社もありますが、どのようなインセンティブの方程式、パターンを取っている会社が多いかを見てみましょう。
人材紹介会社のインセンティブパターン
【パターンA】: 目標達成型インセンティブ
内容としては至ってシンプルです。人材紹介営業の営業パーソンには、それぞれ月の売上(粗利)目標もしくは転職支援目標件数が置かれることが多いですが、各個人に置かれた目標の達成に応じて一律いくら、とルールが置かれているところが多いです。
このパターンを採用する企業は、「目標達成」に重きをおいているため、個人の目標を達成した場合にはインセンティブが発生するが、達成しない場合にはインセンティブ発生なしという場合が多い傾向にあります。
【パターンB】: 売上(粗利)連動型インセンティブ
こちらのパターンは、目標達成をしたか否かに関わらず、各個人が出した成果に対しての一定の率を掛け算することによりインセンティブ額を算出する手段となります。
人材紹介営業の売上は、基本的に以下の方程式で表されることが一般的です。
転職支援実績数 × 成約単価(= 年収× 規定料率)
例えば、もし500万円のご年収の方を30%の料率規定の企業さんに転職支援を2名成功させた場合には、以下の方程式が成り立ち、300万円の売上成果となります。
転職支援実績数(2名) × 成約単価(150万円(= 500万円 × 30%) ) = 300万円
実際にこの300万円に対して一定の料率をかけてインセンティブ計算をする会社もありますが、実態はもう少々複雑化しており、また以下のパターンに分かれます。
【パータンa】
インセンティブ = 売上 × 規定料率
【パータンb】
インセンティブ = 売上 – 広告費 × 規定料率
【パータンc】
インセンティブ = 売上 – 広告費- 人件費(もしくは一定のボーダーライン) × 規定料率
ここでいう広告費とは、一般的にスカウトメディアと呼ばれるようなスカウト媒体、例えばビズリーチや、リクルートダイレクトスカウトなどに支払う必要がある費用が想定されます。
そのため、もし人材紹介営業として成果を上げてインセンティブで稼いでいきたい!という意気込みあるの方は、各企業におけるインセンティブの発生条件、計算方法を予め理解しておいた方が、良いと言えるでしょう。
人材紹介の営業はインセンティブで稼げるのか
これまでは人材紹介のインセンティブの仕組みや、計算方法を説明をしましたが、結論として人材紹介の営業は「稼げる職種」と言えるのでしょうか。
答えは「YES(ただし例外あり)」という回答になるかと思います。
つまりは、「稼げる会社もあるけど、稼げない会社もある」ということです。
一般的には、規模感の大きい会社は、その分出ていくコストも大きいためにインセンティブで営業に対して大きく還元をするような仕組みがないところも多いです。
一方で、ブティック型(領域特化型)の人材紹介会社や、外資系の人材紹介会社についてはインセンティブで年収2,000万円ほどまで狙える会社も多数あります。また、ブティック型人材紹介会社の中でも、特に「ハイクラス」「ハイレイヤー」をメインとする企業は高いインセンティブ還元をしている傾向にあります。
インセンティブ制度を軸とした業界比較
それでは、一般的に「稼げる」と言われる業界と比較した際に、収入以外の特徴はどのようになっているのでしょうか。今回は、「稼ぎたい」という思いで人材業界をご検討されている方が同時に見ていることが多い複数の業界と比較をしてみました。
インセンティブを元に年収が伸びやすい仕事は、やはり不動産営業や、今伸びるM&A仲介営業になるかと思います。
ただその点以外にも視野を広げたときに、バランス感が良いのが人材紹介の営業とも言えるでしょう。
人材紹介というサービスや、そもそもこの人材業界という業界は他の業界と比較しても新しい業界であるため、働き方の柔軟性が高いのが特徴です。
例えば、年収としては高く狙えそうな不動産営業職やM&A仲介営業職は、扱う商材柄どうしてもお客様と対面で会って商談を行う必要もあるため、なかなかリモート勤務を取り入れている会社もなく、残業も多いいわゆる激務な会社が多いです。
一方で、人材業界はフレックス制を導入している企業も比較的多かったりと、働きやすい仕事、業界ということが言えそうです。
インセンティブを求めて人材紹介会社を検討する際の注意点
「稼げる」という点を主軸に人材紹介の営業を志望することは決して悪いことではないですが、企業選びの際には「顧客志向性を同時に持っている会社か否か」は必ず確認をすべきです。
少々、「稼げる」という点と矛盾があるような内容かもしれませんが、中には稼ぐことに集中しすぎて顧客志向性を忘れている会社も少なくありません。
具体的には、「お客様の意向は無視して、受かりやすい企業にいっぱい紹介しよう」としてしまう会社です。 人材紹介の仕事は、人の人生を大きく左右するです。 稼ぐことだけに集中しすぎず、求職者に向き合った仕事ができる会社を選べると、金銭的報酬以外のやりがいを持ちながら人材紹介の仕事に取り組めるかと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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