人材業界は激務でブラック?ビジネスモデルから働き方まで徹底解説!
人と仕事を結ぶ仕事として、新卒・中途問わず人気の高い人材業界。
一方で一度はその門を叩いたものの、去っていく人が多いのも人材業界の事実です。それゆえ巷ではブラックな業界として取り上げられることもあります。
今回は、そんな人材業界のビジネスモデルから働き方にいたるまでを徹底解説します。これを読めば人材業界のキホンは分かるはず!それでは御覧ください。
人材業界とは?ビジネスモデルは?
人材業界は「求職者と企業をつなげること」を大きな目的として、さまざまな事業・サービスを展開しています。近年、人材業界の事業内容・ビジネスモデルは多様化しており、新たなサービスが続々登場していますが、大きくは以下の4事業に分類することができます。
・人材紹介事業
・人材派遣事業
・求人広告事業
・人材コンサルティング事業
人材業界は、事業ごとにサービス内容や仕事内容が大きく変わってくるため、ひとまとめに人材業界といっても、その内実はさまざまです。重要なのはそれぞれの事業の違いやビジネスモデルの特徴など、最低限の知識を身に付けておくことです。次から、人材業界の主たる事業について詳しく見ていきましょう。
■人材紹介のビジネスモデル
人材紹介は、人を採用したい企業と求職者とをつなぐ事業です。採用へと至った場合に紹介料として、報酬が発生します。
人材業界では営業マン同士が社内・社外で成約報酬の多寡を競い合い、しのぎを削っています。報酬は採用された人の契約年収によって決定しますので、企業に対してできるだけ高い年収で採用してもらうよう交渉を行う場合もあります。
また、人材の発掘だけでなく、採用フォローも業務の一環として手がけている企業もすくなくありません。
人材紹介会社のなかにも種類があり、下記の2種類に大別されます。
総合型:業種や職域などの制限がなく、幅広い人材を対象とした紹介会社
特化型:業種や職種、職域など、ある領域に特化した人材を対象とする紹介会社
わかりやすい例では、ITエンジニアや管理職などの専門性を持つ人を採用したい企業と人材とをつなぐ紹介会社
いずれの会社に所属するかは各人の適正による部分が大きいため、自身の特徴をよく見極めたうえで決めるのがよいでしょう。
■人材派遣のビジネスモデル
人材派遣は、派遣会社が雇用している人材を、労働力として顧客企業へ派遣する事業です。派遣会社は企業へ人材を派遣する対価として報酬を得ます。業務の繁忙期といった一定期間に人手が必要な場合に利用されますが、法律によって派遣できる期間は3年間と定められています。一度採用された派遣人材でも契約が途中で打ち切られると報酬が発生しないため、優秀な人材を適材適所で派遣するコーディネート力が必要になります。
■求人広告のビジネスモデル
求人広告とは、「求人ポータルサイト」と呼ばれるWebメディアや、求人情報誌、フリーペーパーなどのメディア運営を通じて求職者と企業とをつなぐ事業です。運営会社は、求人募集を中心とした求人広告を商品として販売し、広告出稿料として収入を得ます。新規の会社に対して提案営業を行うことも求人広告ビジネスの特徴です。はじめての会社に飛び込むのはストレスが高い側面がありますが、自身の提案が採用された瞬間の喜びも大きなものがあることでしょう。
■人材コンサルティングのビジネスモデル
人材コンサルティングとは、採用支援や教育支援、人事制度の構築支援などについてコンサルティングを行う事業です。人材派遣、人材紹介、求人広告の3つの事業は主に「採用」を目的としていますが、人材コンサルティングは企業の「人事業務全般の課題解決」を目的としているのが特徴です。対応範囲が広い分、顧客に対する深い理解と提案、課題解決能力が求められるビジネスです。
人材業界の代表的な企業
人材業界のビジネスモデルは理解できましたか?続いて、人材業界の代表的な企業を紹介します。
■リクルートホールディングス
リクルートホールディングスは、国内最大手の総合人材サービス企業です。リクルートグループの持株会社で、2023年度の売上高は3兆4千億円と過去最高を記録し、人材業界の中ではトップの売上高を誇ります。
就職や転職、結婚、住まいといったライフイベントに関わるサービスを、国内外で幅広く提供しているのが特徴です。
2030年までに、全事業領域でグローバルNo.1企業になることを長期ビジョンとして掲げています。国内外で活躍するリクルートは名実ともに人材業界の代表企業といえるでしょう。
■パーソルホールディングス
パーソルホールディングスは、リクルートに次いで業界2位の売上高を誇る総合人材サービス企業です。人材業界に特化したサービスを展開しており、派遣・紹介事業に強みがあります。
M&Aを活発に行っていることも特徴です。既存事業の拡大や新規事業への参入を進めています。既存事業の拡大という点では、2013年に国内人材サービス大手の「intelligence」2017年には、オーストラリア最大級の人材派遣会社「プログラムド社」を買収しました。
一方で新規事業の立ち上げにも積極的に取り組んでいます。副業人材マッチングサービス「lotsful」や、プロフェッショナル人材に特化した「HiPro」など、新しいサービスを次々に生み出しています。
■パソナグループ
パソナグループは、人材派遣会社大手の「パソナ」を有する持株会社です。人材派遣や人材紹介、再就職支援、アウトソーシングなどの幅広い事業を手掛けています。
パソナグループの特徴は、人材関連事業においてワンストップソリューションを提供している点です。また、アジア圏や北米を中心とした各国の情報を管理することで、日本企業の人材戦略をサポートする体制も整えています。
直近の取り組みでは、シニア層の人材派遣事業や顧問人材のマッチングサービスの拡充に努めています。幅広い年齢・キャリア層に対応した人材サービスを提供しているのが、パソナグループの強みと言えるでしょう。
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人材業界はブラック?
ここまで人材業界について解説をしていきましたが、巷では「人材業界はブラックである」とい噂があることも事実です。これは主に2つの理由が考えられます。
1つ目は、参入障壁が低く、業界を問わず需要があるため激しい競争が強いられるからです。
人材業界の顧客は業界に関係なく非常に幅広く、また会社の規模も大企業から中小企業、ベンチャー企業までさまざまです。人材業界では、人と企業の間に立ち、人を企業に紹介するという業務が主になるため、許可さえ取れれば誰でもできてしまう業界だからこそ、業務への競争が激化しやすいという背景があります。
そのため世間では「ブラックな業界」として知られてしまっているのでしょう。もちろん、全てがそのようなブラックな体質の企業だけでなく、健全な運営を行っている企業も多くあります。さらに、その中でやりがいを感じて日々業務にあたっている人も確実に存在はしますが、負の面が強調されやすいことは否めません。
2つ目は一人ひとりの社員に高い目標が課せられるためです。
人材業界では企業に転職者を紹介した数によって収益が決まる企業が多く、営業によって支えられている企業が多いです。そのため1人1人に高い目標が課されやすく、残業時間が長くなってしまいがちです。
人材業界に向いている人
ここまで人材業界について解説してきましたが、どういう人が人材業界に向いているのでしょうか?ここでは3つの特徴を挙げてみました。
・知的好奇心が高い人
1つ目の特徴は「知的好奇心が高い人」です。人材業界では自発的に情報収集していくことが求められます。上記で説明した通り人材業界は求職者と企業の両方をサポートし1人1人に最適な提案を行う仕事だからです。
担当する業種は多岐にわたり、同じ特徴を持ったクライアントばかりではありません。また業界や職種のトレンドもビジネスモデルも日々変わっていきます。だからこそ、そのような変化に敏感に情報収集していくことが求められるのです。
・コミュニケーション能力が高い人
2つ目の特徴は「コミュニケーション能力が高い人」です。特に営業職では個人と法人の両方を相手にすることが多く、業務をこなしていくうちにヒアリング力や提案力なども磨かれていくと思いますが、人当たりの良さを持っておくと通常業務で有利に働きやすいそうです。
・行動力の高い人
3つ目は「行動力の高い人」です。採用に悩んでいる企業は多いため、対象となる顧客は尽きることがありません。いかに行動して新規開拓・既存深耕できるかが成果を上げるポイントになってきます。また、行動量だけでなく、知識・ソリューション力も求められます。顧客が何に悩んでいるのか、課題は何か把握したうえで最適な商品を提案していく課題解決型の仕事が多いので、成長スピードも早いのが特徴。早くから成長して大きな仕事を担いたいと考えている人にとっては良い環境と言えます。
人材業界に転職するコツ
企業と人を結びつけビジネスの発展に貢献するという点で、社会的に高い意義がある業界です。一方で人材業界ならではの厳しさもあるため、個人の向き不向きが重要な要素にもなります。先述した通り、人材業界に向いている人にはいくつかの特徴があります。自身が人材業界に向いていると考える方はぜひ転職を検討してみてはいかがでしょうか。幅広く門戸が開かれている人材業界。きっとあなたの活躍できる舞台があるでしょう。